全般性不安障害 GENERALISED ANXIETY DISORDER

Generalised anxiety

不安障害とは

不安障害とははじめに不安とは対象のない恐怖と定義されます。不安を感じることは未来に起こりうる危険や危機を回避するために本来備わっている自然な情動です。たとえば初めての職場で挨拶をする時や大事な試験の時などに不安になり緊張して汗をかいたり、心臓がドキドキしたりするのはごく自然のことです。しかし不安が強くなりすぎて日常生活に影響が出ていると不安障害と診断されます。不安障害は、精神的な不安からこころと体にさまざまな不快な変化が起きます。不安障害には細かく分類するとさまざまな病気があり、代表的なものとしては以下に挙げた社交不安障害、全般性不安障害、パニック障害などがあります。不安障害の治療方法は主にお薬での治療と行動療法があります。

全般性不安障害と
パニック障害の違いは?

全般性不安障害は、慢性的に持続する過度の不安により、数ヶ月以上にわたり心身の緊張症状が現れる病気です。全般性不安障害はパニック障害と同様に「不安障害」に分類されますが、全般性不安障害とパニック障害の大きな違いは、全般性不安障害ではパニック発作にみられる強い自律神経症状があらわれない点にあります。

全般性不安障害とは

不安とは対象のない恐怖と定義されます。人が暮らしていく中では不安は危険を予測しこれらから身を守るために必要なものです。しかしこれが過剰になると危険でない状況でも恐怖心として自覚され日常生活に影響を及ぼします。たとえば本人や家族が病気になるのではないか、事故に遭うのではないか、地震や火事が起こるのではないかなどさまざまな心配事が不吉な予感と共に不安となって現れます。本人ではどうすることもできない事について深刻に悩み続けます。これにより頭痛、動悸、めまい、肩こりなどの体の症状や集中力の減退、イライラ感、不眠、抑うつなどの精神症状を伴います。日常生活で起こりそうなさまざまなことについての不安を訴えるので、本人や家族は人よりも心配性であるとか、ちょっと考えすぎてしまう性格であると思っていることが少なくありません。

全般性不安障害の原因

不安を引き起こす働きのある脳の扁桃体という部分の機能異常があるとされていますが、はっきりとした原因はわかっていません。不安を感じやすい元々の性格や素因、家族歴があることから遺伝的な要因、幼い時の生育環境などの環境要因、ストレスによる自律神経の不調などが関連しているといわれています。

全般性不安障害は何人に1人?

全般性不安障害の患者数はパニック障害の3~4倍とも言われ、1,000人中64人程度が経験しているとの報告もあり、決して珍しい病気ではありません。不安障害の中では一般的で、10代半ばで発症する例が多いですが、精神科を受診するのはかなり後になってからということも少なくありません。

全般性不安障害に
なりやすい人(性格)

全般性不安障害になりやすい人(性格)

全般性不安障害になりやすい性格の特徴としては、心配性、過敏性、完璧主義などがあるといわれています。また、脳の一部の機能不全の影響によって起こる不安感情や、遺伝的要因も関係しているともいわれています。

全般性不安障害の症状

  • 些細なことで不安になる
  • 大したことじゃないのに悪い結果ばかり考えてしまう
  • 不安で胸が詰まったような感じがする
  • 失敗したらどうしようとずっと考えてしまう
  • 何をしても心の中がざわざわして落ち着かない
  • さまざまなことが不安になる
  • 理由なく不安がある
  • 不安をコントロールすることが難しい
  • イライラする
  • 集中力がない
  • いつも何か心配事が頭から離れない
  • 常に緊張している
  • いつも緊張して肩や首が凝っている
  • 疲れやすい
  • 不眠がある

など

全般性不安障害の治療

他の不安障害と同じようにお薬の治療と行動療法を組み合わせて行います。

お薬での治療

漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬に代表されるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などを使用します。漢方薬や抗不安薬で生じた不安や体の症状を直接治療し、SSRIやSNRIで不安がそもそも出ないように治療します。他の不安障害と同様に抗うつ薬を使用するのは、不安の発生には脳の扁桃体といわれる部位とその周辺の過剰な活性化が原因といわれており、SSRIやSNRIにはこれを抑制する働きがあるからです。

行動療法

行動療法日常生活での心配事の9割以上は実際には起こらないといわれていますが、それを分かっていてもふとしたことで過度に不安になってしまうことには、本人の誤った認識があります。行動療法ではまずこの誤った認識を自覚し、起こりうる心配事ではなくこの認識自体が不安を過剰なものにしていることに気付きを促します。その上で不安を引き起こす場面や出来事の内容と状況、不安の強さなどを整理します。不安強度の低いものから順に敢えてその状況に向き合ってもらい、その状況に曝されても実際には本人が思うような心配な出来事は起こらず、次第に不安は消えていくことを実感していきます。

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