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「ブレインフォグと うつ病」
~頭がもやもやする、ぼーっとする~

ブレインフォグとは

ブレインフォグは英語でBrain Fogと表記し、日本語に直訳すると「脳の霧」という意味になります。頭の中にモヤがかかったように頭がもやもやする、ぼーっとする状態が続く症状を指します。考えることや集中することが難しくなり、記憶力や思考力にも影響が出ると言われています。ブレインフォグは医学的な診断名ではなく、症状を表す言葉として使われています。ですのでブレインフォグという病名で診断されることはありません。 ブレインフォグは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症としてメディアなどで取り上げられ注目されはじめましたが、元々はストレス、睡眠不足などの誰にでも起こりうるものによるものによる注意力の低下、記憶力の低下などの症状について用いられてきました。

ブレインフォグの症状

  • 思考力の低下:頭がもやもやして考えをまとめるのが難しくなり、複雑な問題解決が困難になります。
  • 集中力の欠如:頭がぼーっとして仕事や学習に集中できず、注意が散漫になります。
  • 記憶力の低下:物事を思い出すのが難しくなり、特に短期記憶に影響が出ます。
  • 全体的な疲労感:身体的な疲労感と精神的な疲労感が重なり、常にだるさを感じます。
  • 意欲の欠如:やる気が出ず、何をするにも消極的になる状態です。

など

ブレインフォグの原因

ブレインフォグの症状は、うつ状態の症状に似ていますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として報告されています。ウイルス感染により、免疫系が反応して脳に炎症を引き起こすことで、神経細胞が正常に機能しなくなるとされています。発症する仕組みはまだはっきりとは解明されていませんが、うつ病の発生にも関わっているとされる脳内の慢性的な炎症によるものが示唆されています。ブレインフォグの症状が続くと、生活の質に大きな影響を与えることがあるとされています。

ブレインフォグとうつ病の共通点と違い

ブレインフォグとうつ病は、共に思考力の低下や集中力の減退などの認知機能低下や疲労感、倦怠感などの共通の症状を持ちますが、その症状には根本的な違いがあります。ブレインフォグは特に頭がもやもやする、ぼーっとする感覚が強く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として報告されることが多いです。一方で、うつ病は気分の障害として分類され、持続的な抑うつ気分や興味・喜びの喪失、自尊心の低下が特徴です。以下にうつ病の症状と特徴をあげています。

うつ病の症状と特徴

  • 抑うつ気分:ほぼ毎日憂うつさを感じ、気分が落ち込んでいる状態が続きます。
  • 興味・喜びの喪失:以前は楽しんでいた活動に対する興味や喜びを感じなくなります。
  • 睡眠障害:寝過ぎや不眠といった睡眠の問題が発生します。
  • 食欲の変化:食欲が減退したり、過剰に食べたりすることがあります。
  • 自尊心の低下:自分に対して否定的な見方をし、自信を失います。
  • 集中力の低下:思考や集中力が低下し、決断が難しくなります。
  • 不安感、焦燥感:気持ちが落ち着かなくなり、ソワソワしてしまうことがあります。
  • 自殺念慮:いっそのこと自分が居なくなればいいと考え、自殺を企てることもあります。

など

ブレインフォグの治療

ブレインフォグは医学的な診断名ではなく、症状を表す言葉として使われています。ですので、この症状を引き起こす原因に応じて治療のアプローチはさまざまです。まずはブレインフォグの原因を特定し、その原因についての治療をしていく必要があります。ご本人では頭がもやもやする、ぼーっとするなどのブレインフォグと感じている症状の背景に、うつ病や抑うつ状態などのこころの病気が存在していることが多くあります。この場合にはうつ病の治療ガイドラインに準じた治療や抑うつ状態の原因に対する治療がなされます。うつ病以外にも不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害や慢性疲労症候群や自律神経失調症などの疾患をかかえている場合があります。これらも同じくそれぞれの原因に応じた治療をしていく必要があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症としてのブレインフォグに対する治療はTMS治療と呼ばれる磁気で脳を刺激する治療が行われることがあります。

ブレインフォグとうつ病 まとめ

ブレインフォグとうつ病は似た症状を持つため、見分けるのが難しいことがありますが、それぞれの症状の経過や特徴をとらえたうえで丁寧に診察していくことで、まずは原因を特定することが大切です。その後、原因や診断に応じた治療のアプローチを行います。ブレインフォグの症状が続くと、生活の質に大きな影響を与えることがあるため、この症状を放置せず、まずは早期に適切な対処を行うことが大切です。

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