何をしても楽しくない原因
毎日同じような生活をしている
同じことを繰り返す毎日が続けば、日常生活に変化がなくなるため、新しい刺激が得られず、何をするのも退屈で楽しさを感じなくなるかもしれません。
同じことを繰り返す生活は、安定した生活として前向きに捉えることもできます。しかし、その安定がいつまでも続くことが、逆に悩みの種となる場合もあります。
仕事が忙しく、疲労がたまっている
仕事や忙しい日常に追われ、心身ともに疲れていると、何も楽しむ余裕がなくなります。
疲れていると、休日も思うように過ごせず、1日中何もしないという状態になってしまいます。また、体がだるくなって体力がなくなるだけでなく、やりたいこともできなくなり、何も楽しめなくなってしまいます。
仕事自体を楽しめない
「今の仕事を好きになれない」「仕事にやりがいを感じられない」といった不満は、「何をしても楽しめない」と感じることに繋がります。仕事は1日の大半を占めるため、仕事中に嫌な思いをし続ければ、「楽しくない」と感じる時間が多くなります。
嫌なことが積み重なれば、次第に気持ちも落ち込みがちになります。休日でもつい仕事のことを考えてしまい、さらに落ち込んでしまう方もいます。
さまざまなストレス
仕事内容や職場の人間関係など、ストレスの引き金となる要因はたくさんあります。
ストレスを感じると、楽しさよりも不安や心配の気持ちが強くなり、普段は楽しいと思えることも、楽しく感じられなくなってしまうことがあります。
孤独感
人と共感する機会が減り孤独感があると、物事を楽しめない状態に陥りやすくなります。孤独感が強い方は、そうでない方に比べて、ストレスや不安をより強く感じているという報告もあります。友人やご家族などから離れて1人暮らしを始めた人は、特に孤独感を経験しやすいかもしれません。
周囲の目を気にしすぎる
周囲の目をよく気にする方は、常に他者からの評価をとても気にしてしまう傾向にあります。相手に合わせようとするあまり、本当の気持ちと合わない行動を取ることも少なくありません。
他者を優先し続けると、ご自身の本来の姿を見失い、何事もこころから楽しむことができなくなることに繋がります。
周囲と比べてしまう
周囲とご自身を比べて、恵まれているか、幸せかを考えることは、人生がつまらないと感じることに繋がります。周りと比べてご自身が幸せではないと判断してしまうと、何をするにも劣等感を抱いてしまいます。このような状態が続くと、普通なら幸せだと感じるような状況でも、何も楽しくない、つまらないと感じるようになります。
ささやかな楽しみを日常に
見いだせない
特別な経験だけを「楽しい」と思っていると、何をやっても楽しくないと感じるようになります。幸せを感じるために、旅行などの非日常的な体験が必要だと考えている方は、日常生活に楽しさを感じにくいかもしれません。
日頃から「楽しい」という前向きな気持ちを持ち続けるためには、日常の小さな出来事を楽しむことが大切です。平穏な日常生活の中に小さな楽しみを見つけることが、毎日を楽しく過ごす秘訣といえるでしょう。
興味や好奇心が薄れている
物事への興味や好奇心が薄れると、何をやっても楽しくなくなってしまうことがあります。好奇心が強く、物事への興味が強ければ、物事を楽しいと思える機会も増えるでしょう。
逆に好奇心が薄れてしまうと、興味や関心を持ちにくくなり、何をやっても楽しくなくなってしまいます。また、幼少期には好奇心が旺盛だったとしても、大人になるとその好奇心も薄れてしまうこともあります。
何をしても楽しくないのは
「うつ病」が原因?
うつ病は、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の調整が上手くいかなくなり、脳が正常に機能しなくなる状態です。脳は精神活動と身体活動をコントロールしているため脳が機能異常を起こすと、これらの活動に影響がでてきます。1日中憂鬱な気分で何も楽しめないといった精神的な症状と、眠れない、食欲不振、倦怠感などの身体的な症状によって、日常生活に大きな支障をきたしている場合は、うつ病の可能性が考えられます。
何をしても楽しくないのは
「適応障害(適応反応症)」が原因?
適応障害の症状は人それぞれですが、感情面の症状と行動面の症状に分けられます。一般的には、何をしても楽しくないという虚無感、物事への興味や関心が薄れ、外出も億劫になる、身なりに無頓着になる、強い不安感、イライラ感などの感情面の症状が現れます。遅刻や欠勤、向こう見ずな運転、喧嘩っ早くなるなどの行動面の症状もあり、ストレスから過食、ギャンブル依存、アルコール依存などの問題行動に繋がることがあります。また、適応障害の患者さまの多くは身体症状も生じるといわれており、不安や緊張が高まると、動悸、過度の発汗、めまい、倦怠感、肩こり、食欲不振、頭痛、腹痛などが現れることがあります。
何をしても楽しくないのは
「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が原因?
つらい記憶に苦しめられることを避けるために、人間の脳は感情や感覚を麻痺させてしまうことがあります。その結果、何に対しても喜びを感じなくなり楽しいと思えなくなります。また感情や感覚が麻痺してしまい、何に対しても生き生きとした感情を持てなくなります。この状態が1ヶ月以上続くと、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) を疑います。
何をしても楽しくない人の特徴
マイナス思考
マイナス思考の方は、あらゆる出来事を否定的に捉える傾向があるため、楽しいという感情が生まれにくくなります。
ただし、否定的な考えを持つこと自体は悪いことではありません。物事をマイナスに考えることで慎重になったり、危機感を持ったり、行動や感情を抑制できることにも繋がります。またマイナスに考えることは、望まない事態を避けたり、事前に心の準備を整えたりするためにも重要です。ただマイナス思考が強すぎる場合は、楽しいと感じる余裕を奪ってしまうこともあるため注意が必要です。
気分転換が苦手
気分転換が苦手な方は、幸せを感じることも難しくなりがちです。気分転換ができないと、嫌なことがあった時にマイナスの感情を引きずり続けてしまいます。それにより、ストレスが溜まることで、幸せや喜びを感じにくくなり、さらに落ち込んでしまうこともあるでしょう。
周囲の意見を気にしすぎる
周囲の意見を気にしすぎる方は、ご自身のしていることを楽しめなくなる傾向があります。何が楽しいかどうかは、ご自身が決めることです。他人の基準で決めてしまうと、何をしても満足できず、人生がつまらなくなってしまいます。また、周囲から変だと思われないように無難な選択ばかりしていると、ご自身が本当に望んでいることがわからなくなってしまい、楽しむことそのものが難しくなってしまいます。
何をしても楽しくない時の対処法
新たな挑戦をしてみる
新しいことに挑戦することで、日々のルーティンが変わり、楽しむチャンスが生まれるきっかけにもなります。勉強や習い事、ご自身が興味のあること、あるいは誰かに勧められたことなどどんなことでも良いので始めてみましょう。
新しいスキルを身につけることは、仕事のキャリアアップだけでなく、新しい価値観や人間関係との出会いにも繋がります。変化のない日常を送っていると感じているなら、思い切って一歩踏み出してみることもひとつの良い方法です。
運動で体を活発にする
運動をすると、脳内のセロトニンというホルモンの分泌が増えます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させ、こころのバランスを整えます。運動をすることで、憂うつな状態を和らげることに役立つかもしれません。
また、セロトニンは光を浴びることで分泌されるといわれており、日中にウォーキングやジョギングをすることもお勧めしています。普段、あまり体を動かしていない方は、体を動かす習慣をつけてみましょう。
打ち込める趣味を見つける
ご自身が楽しいと感じ、没頭できる趣味を見つけることは充実した日常を送ることに繋がります。インドア派なら読書や映画鑑賞、アウトドア派ならスポーツやキャンプなどが良いでしょう。時間のかかる趣味が難しい場合は、気軽にできる趣味を探してみましょう。お金をかけずにできる趣味もたくさんあるので、ご自身に合ったものを選びましょう。
身近な人に相談する
今の悩みや状況を、身近な方々に相談することで、新たな発見や解決策が見つかるかもしれません。話すだけで気持ちが楽になり、溜まっていたストレスが解消されることもあります。
身近に相談できる相手がいない方は、カウンセリングを受けることをお勧めします。最近、親しい友人とあまり話していないと感じている方は、この機会に誰かに話してみましょう。
現在置かれている環境を変えてみる
今の状況に問題はないが気分が晴れない、または問題が解決できず気持ちが塞いでいる場合は、思い切って環境を変えてみるのも対処法の1つです。環境を変えることで新たな刺激が得られ、日々の生活がより楽しくなるかもしれません。
仕事に満足していないなら転職する、実家暮らしなら1人暮らしをするなど、環境を変える方法はいろいろあります。部屋の模様替えや通勤経路の変更など、小さなことでも良いので環境を変えてみましょう。
心身が休息できる時間を作る
疲れやストレスが溜まっていると、何かしらの行動を起こす余裕も生まれません。ストレスが解消されずに蓄積すると、心身の健康を害したり、うつ病や適応障害の原因になったりします。
疲労やストレスで気分が晴れない時は、まずは心身を休めることが最優先です。
心身が健康であれば、自然とやる気や充実感が戻ってくるかもしれません。スケジュールを調整できる場合は、長い休みを取って休むことをお勧めします。