ブログ BLOG

blog

「休職から職場復帰の流れ」
~会社の支援について~

休職した方への支援

2023年の厚生労働省の調査結果によると、現在の仕事で「強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある」と回答した労働者の割合は80%以上で、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた会社の割合は10%以上でした。こころの不調で休業する職員の職場復帰を促進するために厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を出しています。前回お伝えした「労働者の心の健康の保持増進のための指針」とともに会社はこの手引きに従って職場復帰の支援をしています。休職(療養)に入ることを検討している患者さまの不安が少しでも取り除けるよう、その内容についてお伝えします。

休職(療養)から職場復帰の流れ

患者さまが安心して療養できるよう、次の流れで会社は休職から職場復帰の支援を行います。
精神科•心療内科専門医の主治医から休職の診断書が提出されると、まず会社は「病気休業開始および休業中のケア」を行います。症状が改善して職場復帰ができる状態となれば「職場復帰可能の判断」を主治医が行います。主治医による意見をふまえ「職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成」をします。「最終的な職場復帰の決定」を経て職場復帰を行います。復帰後も、「職場復帰後のフォローアップ」を行います。
それぞれの流れを詳しくみていきましょう。

病気休業開始および休業中のケア

精神科・心療内科専門医の医師による休職の診断書を会社に提出して療養に入ります。ご本人が安心して療養に専念できるよう、必要な事務手続きや職場復帰支援の手順についての説明が会社からなされます。療養に入る患者さまが最も心配なのは、休業中の経済的、将来的な不安です。具体的には次の情報提供がなされます。

  • 傷病手当金などの経済的な保障
  • 不安や悩みなどの相談先の紹介
  • 公的または民間の復職支援サービス
  • 休職の保障の期間(最長でいつまで休職ができるか)

など

主治医による職場復帰可能の判断

メンタルヘルス不調での療養期間は多くは数ヶ月から半年かかります。この間に徐々に症状が改善し、主治医による職場復帰が可能という判断がなされると、復職可能と記載された診断書が発行されます。これを会社に提出することで、会社は復職に向けて調整に入ります。職場で求められる業務を遂行できるまでに回復しているかなど、会社の産業保健スタッフや産業医などが本人の状態を確認します。特に職場復帰にあたり大切なのは次の状態です。

  • 休職(療養)中の日常生活が問題なくできている
  • ご本人の就業についての意欲が十分である
  • 通勤時間帯に1人で安全に通勤できる
  • 定められた勤務日、勤務時間に継続して就労できる
  • タスクをこなせる集中力や注意力、作業能力が回復している
  • 仕事での疲労が次の日までに十分に回復する状態である

など

職場復帰の決定

会社は、安全でスムーズな職場復帰を支援するため、最終的な復職決定の前段階として、主に次の内容を考慮して、職場内の産業保健スタッフが中心となり職場復帰について決めていきます。

  • ご本人の職場復帰の意思の確認
  • 精神科・心療内科専門医の主治医からの意見
  • 病状の回復の程度、業務をこなす能力、今後の仕事についてのご本人の考え、家族からの情報
  • 職場の環境や業務内容とご本人の適合性、職場の支援状況

など

職場復帰支援プラン

職場復帰が決まれば、会社内の産業保健スタッフ等とご本人が相談したうえで、職場復帰を支援するための具体的なプランを作成します。これには職場復帰日、就業上の配慮(環境調整)、配置転換や異動、産業医による医学的な意見などが含まれます。

  • 職場復帰日は、ご本人の状態や職場での受け入れ準備状況が考慮されます。
  • 就業上の配慮(環境調整)では、ストレス負荷を軽減するためにサポートを入れたり、業務内容の変更や業務量の軽減、残業の抑制、交代勤務の制限、時短での勤務、病院を受診するため外出許可などが検討されます。
  • 配置転換や異動の必要性について検討されたり、フレックス制などの勤務制度の変更などが検討されます。
  • 産業医が安全配慮義務について医学的な意見を述べます。

最終的な職場復帰の決定

作成された職場復帰支援プランをもとに、最終的な職場復帰が決まります。また就業上の配慮(環境調整)について、ご本人に説明がなされ、同時に精神科•心療内科専門医の主治医に対しても、ご本人を介してその内容が伝えられます。診察では病状の再発がないかなどの最終的な確認を行います。

職場復帰後のフォローアップ

職場復帰後は、上司によるご本人の状態の観察や業務上のサポート、会社内の産業保健スタッフなどによるフォローアップを行い、職場復帰支援プランの評価や見直しを行います。必要に応じて職場環境の改善を再度行います。また、職場復帰後の治療状況について主治医の意見をご本人を介して職場も把握します。

  • 職場復帰支援プランの実施状況の確認
  • 職場復帰支援プランの評価と見直し
  • 職場環境の改善
  • 治療状況について主治医の意見をご本人を介して把握する

など

試し出勤制度

正式な職場復帰決定の前に、会社内の制度で「試し出社制度」をもうける場合も多くあります。より早い段階で職場復帰の試みを開始することができるメリットがあります。具体的には以下のような制度をもうけることがあります。

  • 模擬出勤:勤務時間と同様の時間帯に、図書館で時間を過ごすなど
  • 通勤訓練:自宅から勤務職場の近くまで、普段の通勤経路で移動し、職場付近で一定時間過ごした後に自宅に戻る
  • 試し出勤:職場復帰の判断などを目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する

など

プライバシーの保護

「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」ではプライバシーの保護について次のように定めています。職員の健康情報は個人情報の中でも特にセンシティブな情報であり、厳格に保護されなければならず、特にメンタルヘルスに関する健康情報は慎重な取り扱いが必要としています。プライバシーの保護に関して「情報の収集と職員の同意」、「情報の集約・整理」、「情報の漏洩等の防止」、「情報の取り扱いルールの策定」などを規定しています。

休職(療養)から職場復帰の流れ まとめ

メンタルヘルスの不調で休職せざるを得ない患者さまをどのように支援して職場復帰につなげるか、会社での支援について「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」からお伝えしました。会社は国の指針や手引き、法律に基づいて休職者の支援に取り組んでいます。休職に入る患者さまのほとんどが、職場復帰に対して不安を抱えています。職場復帰についての会社の支援を事前に把握することで、その不安を少しでも取り除くことができればと考えています。


当院では働く方のメンタルヘルスにも力を入れています。職場でのストレスでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

関連ページ

カテゴリー

WEBで予約 LINEで予約 pagetop
TOP