不安や緊張が強い NERVOUS

Nervous

「不安や緊張が強い」状態とは

「不安や緊張が強い」状態とは

不安や緊張が強い状態が続くと、日常生活に支障をきたすこともあります。些細なことでも過度に心配することが続き、集中力が低下し注意散漫になり、決断ができなくなることに繋がってしまいます。また、心臓がドキドキして汗をかき、息苦しさ、めまい、肩や首のこり、顎の痛み、胃の痛み、下痢や便秘などの体の症状が起こります。原因としては以下のような疾患や要因が考えられます。ただし原因がはっきりしなくても不安や緊張が強くなることもあります。お困りの場合には精神科・心療内科を専門とする当院までご相談ください。

「不安や緊張が強い」原因

「不安や緊張が強い」原因としてストレスやトラウマ、遺伝的要因、過度なプレッシャーが考えられます。これらがなくても以下のようなこころの病気が原因で生じることもあります。

パニック障害

パニック障害は、突発的に激しい不安や恐怖を感じるパニック発作が繰り返し起こる状態です。発作は心臓のドキドキ、呼吸困難感、発汗、めまい、ふらつき、しびれ、震え、感覚麻痺、ひどく熱く感じる、死ぬのではないかという恐怖などの症状がでます。パニック障害は予期しない状態でも発作が発生し、発作は数分から30分程度続きます。

全般性不安障害

全般性不安障害は、さまざまな心配事が不吉な予感と共に不安となって現れ、持続的かつ過度な不安や心配が続く病気です。天変地異や身内の病気などの本人ではどうすることもできないさまざまな事柄について深刻に悩んでしまいます。不安や緊張から頭痛や肩こり、めまいや動悸などの身体的な症状や集中力の低下、イライラ感、抑うつ気分などの精神症状を伴います。不安や心配をコントロールすることが難しい状態となり、これにより日常生活に支障をきたすと診断されます。

社会、社交不安障害

社会、社交不安障害

社会、社交不安障害は、人前で話すことや人と交流する場面で「恥ずかしい思いをしたらどうしよう」と必要以上に他人からどのように見られているかを気にしてしまい、他人からの評価に不安や緊張を強く感じる障害です。場面や症状によって会食恐怖や、あがり症と呼ばれることもあります。過度な不安から日常生活、社会生活に影響を与えてしまいます。

強迫性障害

強迫性障害では、強い不安や恐怖感に突き動かされた考え(強迫観念)が頭の中で繰り返し浮かんでは離れず、その思いを断ち切るために何度も同じ行動(強迫行為)を繰り返してしまいます。これにより日常生活に支障が出ると診断されます。強迫観念の根底には不安や恐怖があるので神経が過敏になり緊張感も伴います。ご本人はおかしなことだ、ばかばかしいと理解していても、強迫観念を拭い去ることができず強迫行為を繰り返してしまい、悪循環になっていきます。

適応障害(適応反応症)

適応障害は、ストレスに適応しようとする過程での心理的な反応として発症します。症状として不安や緊張が強く出る方もいらっしゃいます。ストレス因となる原因はさまざまで、転職や異動、冠婚葬祭にまつわるもの、進学や落第、引っ越し、結婚や失恋、自然災害など日常生活で起こりうるストレス因子をきっかけとします。不安や緊張などの症状が6ヶ月以上続く場合には別の診断も考えていく必要性があります。

うつ病

うつ病は、憂うつな気分が続き、何をしても楽しめないことを特徴とする病気です。多くが不安や緊張感も伴います。その他にも集中力がなくなり、過度にご自身を責めるなどの症状がでます。うつ病の原因として家族歴などの遺伝的要因、セロトニンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の影響、心理的なストレス、身体的な要因(甲状腺ホルモンの影響)、性格や思考の特性などが考えられています。

躁うつ病(双極性障害)

躁うつ病(双極性障害)は、躁状態とうつ状態が周期的に現れる病気です。不安や緊張はうつ状態や、躁状態とうつ状態が同時に存在する躁うつ混合状態といわれる場合に生じやすい傾向があります。特に躁うつ混合状態では不安や緊張に加えて焦燥感を伴いやすく自殺に繋がりやすい傾向があるため注意が必要です。

仕事(職場)がプレッシャー?
不安・緊張の関連

「仕事(職場)」と「不安や緊張が強い」ことには関連があります。職場環境や仕事の内容、人間関係などが原因で、不安や緊張を感じることが多々あります。仕事が不安や緊張を引き起こす具体的な要因と、それらの要因がどのように不安や緊張に繋がるかについてご紹介します。

仕事のプレッシャー

職場での高い期待を受けたり、ノルマ達成、納期厳守、業績向上などの過度な要求を課されたりすることで、達成しなくてはならないというプレッシャーを感じると、「仕事がうまくいかなかったらどうしよう」という不安や、失敗することの恐怖から緊張感が強まります。仕事のプレッシャーがかかり続けると不安感や恐怖感が抜けず慢性的な緊張状態となってしまいます。

過重労働

長時間労働や過剰な業務量が続くと、疲労により身体的および精神的なストレスが蓄積されます。このような状態を放置し、休息が不足すると蓄積されたストレスにより脳機能が影響を受け、情緒のコントロールが難しくなります。これにより不安や緊張感が強くなります。また、仕事の効率が下がることによる自己評価の低下も不安を強くしてしまい悪循環となります。

職場の人間関係

ハラスメントやコミュニケーションの不足などで上司や同僚との関係性が悪いと、職場で孤立しがちになり、不安を感じやすくなります。また人間関係の悪化により周囲からの敵対心を感じると緊張や不安感に繋がります。特に他者の評価に敏感な性格をお持ちの方や対人面で不安を感じやすい傾向のある方は、職場での人間関係が悪化すると、より一層不安や緊張感を感じやすくなります。

役割の不明確さ

職務の内容や役割が明確でない場合、先行きの見通しが立たずご自身の仕事に対する不安が生じます。役割が曖昧だと決断をする時にも、迷いを生じやすくこれにより不安を感じやすくなります。さらに決断した内容が正しいかどうかについても、その後悩んでしまい不安や緊張が持続することにも繋がります。また責任の範囲が不明確であると、どの範疇で行動すべきか分からず、結果的に不安や緊張が増加します。

仕事の不確実性

会社の業績の不安定さ、リストラの可能性、頻繁な人事異動、新しいプロジェクトへの適応が求められるなど、会社や職場環境が長期的に安定していない場合に不安や緊張を引き起こします。特に、これまで積み重ねてきた努力が報われないのではないかという不安や恐怖感を持つ人にとっては大きな要因となります。

仕事と生活のバランス

仕事で要求されるレベルが高すぎてプライベートの時間が取れないなど仕事と生活のバランスが崩れてしまうことで、情緒が不安定になり不安や緊張を生じやすくなります。性格にもよりますが、人は集団の中で情緒的な感情の交流を必要とします。家族や友人との団らんの時間を取ることで情緒の安定に寄与し、心身ともにリフレッシュを図っています。これらの時間が物理的に取れないと、不安や緊張が起こる原因となってしまいます。

「不安」や「緊張」の対処法

ストレスを上手くコントロールする

ストレスを上手くコントロールする

日常生活、社会生活を送る中でストレスを完全に取り除くことは難しいです。深呼吸や瞑想などを上手く取り入れたリラクゼーション法や適度な運動、趣味の時間、家族や友人との交流を持つことでストレスを上手くコントロールしましょう。

コミュニケーションの改善

職場での人間関係が原因となり不安や緊張が高まっている場合には上手くコミュニケーションを取ることにより改善することができるかもしれません。上司や同僚と適切にコミュニケーションを取り、業務の進捗や問題点を共有するようにしてみましょう。先のことが見据えられるようになると不安は軽減します。またコミュニケーションをとることで誤解やストレスを減らすことができるので、これにより安心感が得られることもあります。

スケジュールを調整する

仕事の優先順位をつけ、効率的にタスクをこなすスケジュールを立てて着実に業務を進めることで、これにより安心感を得ることができます。この時にタイトなスケジュールを立てるのではなく、余裕をもってこなせる範囲の計画を立てましょう。場合によっては休日の予定や休憩の時間なども同時に計画することも必要です。無理のない予定を立てて、計画通りに着々とタスクが終了すれば、不安や緊張はそれに伴い軽減されます。

職場環境を改善する

前述のような職場でのさまざまな問題が原因となり不安や緊張を生じている場合には、できる範囲で上司に状況の改善ができないか相談してみましょう。それが難しい場合には時には転職をして働きやすい新たな職場を考えることも必要な場合があります。
ただし、こころの病気がある場合には、焦ってすぐに転職を決断するのは禁物です。正常な理解や判断ができていない可能性があるからです。どのような手段を取るのが良いか、お一人お一人で異なる場合がありますので、迷いましたらお気軽にご相談下さい。当院では職場のメンタルヘルスについて豊富な経験のある精神科専門医が診療を担当します。

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